広州の舞台『邯鄲記』の紹介をしている最中に天皇陛下が邯鄲(この場合の意味はコウロギのように鳴く虫のこと)を詠まれたことに何かしら縁を感じてしまったので忘備録として綴る。
今年、平成29年(2017年)の歌会始の歌 「野」をお題に皇族が歌う。
天皇陛下
邯鄲(かんたん)の鳴く音(ね)聞かむと 那須の野に
集(つど)ひし夜(よる)をなつかしみ思ふ
皇后さま
土筆(つくし)摘み野蒜(のびる)を引きてさながらに
野にあるごとくここに住み来(こ)し
《WIKIより抜粋》
和名は中国の古都邯鄲から来ている。中国では天蛉と呼び、このことから日本に『邯鄲の枕』という物語が伝わってから名前がつけられたのであり、そのとても美しい鳴き声とその透き通る様な半透明な姿や成虫としての短い寿命を栄枯盛衰や儚さに例えて名付けられた。それ以前に和名があったかは定かでない。また、夏の終わりから晩秋まで約2ヶ月近くその音色を聞くことが出来るが、個体としての成虫の寿命は短い。