先日、デザイナー風間鋭一こと李鋭一氏と電話でオリンピックの話をしていてシンクロナイズド・スイミング(中国語では花样游泳)の話題になり、彼が中国ナショナルチームの衣装も担当したというので忘備録として以下に書き留めて置く。
2008年に躍進を遂げた北京オリンピックシンクロナイズドスイミング中国チーム。
日本の井村コーチの功績はさることながら風間鋭一(李鋭丁)氏のデザイン衣装も選手たちの気持ちを高揚させ、メダル獲得に貢献したに違いない。日本は初めてこの団体戦でメダルを逃し、中国が第3位と躍進を見せた大会でした。
👆中華の華という字と大輪の牡丹が大胆にデザインされた衣装でさっそうと登場する選手たち。笑顔で送り出す井村コーチの姿も。牡丹は中国の国花でもありますが女性の美しさの象徴でもあります。
👆双子のデュエット文文と婷婷。当たり前ですが完璧なまでに鏡写しのように揃ったボディ。デュエットではなんとか日本は中国を振り切り銅メダルでした。
↓中国の国花『牡丹』の絵画。作は湯祖堃氏。
◆裏話◆
我が家にある牡丹の絵は風間氏の計らいで湯祖堃先生からいただいたものです。実はチーム衣装制作でデザイナーの風間氏が牡丹と言えばこの人しかいないと、この湯祖堃先生に依頼したのだそうです。『華』の文字は風間氏自身が書いたものですが、本人によると、本来は書(しょ)は得意ではなかったので躊躇していたが開会式衣装で共に働いたデザイナーの故・石岡瑛子さんから迷うことはない、書としてではなくアート作品としてイメージするままに書くようにアドバイスをもらったそうです。そこで李氏は一気に描き上げることができたそうです。いわゆる”書く”ではなく”描く”を実践したのです。”華”の字の最後の縦線が鋭く剣のように伸びているのは闘いの意志の強さを表現したものだそうです。